夫が修行先のパン屋からクビの宣告(前編)
2004年1月19日昼休みに携帯を見ると海くんからメール。
「お願いがあります。今日できるだけ早く帰ってきてください。」
妙にかしこまった文章にイヤな胸騒ぎがして、会社を早退して家に戻った。
玄関のドアを開けると今にも泣きそうな海くんがいた。
「どしたの?」
「・・・うん」
「パン屋さんで何かあった?」
「・・・うん」
「何か言われたの?」
ふうーっとため息をついて重たい口をゆっくりと開け話し始めた。
・・・今日、店長に呼ばれて言われたそうだ。
「おまえさ、一生懸命やってるのわかるんだけど、覚えるの、遅い
時給650円も出せない、一日1000円だな
それが嫌ならヤメロ
俺も教える自信ないわ
おまえはパン屋に向いてない」
「おまえに教えてると俺の1分2分っていう時間が
無くなるのがもったいない」
「一日1000円でも良ければ、自分が納得できるまで来てもいいけど、
(仕事は教えないぞ)
明日までに考えて来い、一日あれば足りるだろ?」
愕然とした。
まだ10日目なのに。これはクビ宣告以外の何物でもない。
最初からできる人なんていない。
確かに海くんは要領が悪いかもしれないけど、会社辞めてパン屋に賭けてるんだ。それをたった10日で"向いてない"なんて決めつけて欲しくない。
調子の良いこと言っておいて、見込みが無いとわかれば
ザックリ切るなんて・・・(http://diary.note.ne.jp/36834/20031011)
1分2分の都合がつけれないんだったら、最初から未経験者の面倒を見る
なんて無責任なことは言わなければいい。
店長は愛想はいいが、店で働いてると人が変わるそうだ。
お客さんがいないと細かいことで絶えず怒鳴って作業場には緊張が走る。
それに一緒に働いてる人たちが仕事中ひとことも言葉を発せず、店長に
脅えながら仕事をしている職場らしい。
・・・入店してみなければわからない店の内情。
製造の細かい工程をメモに残せず、女の先輩(もちろん年下)に質問しても
面倒くさそうに「先週教えましたよね?」と冷たく言い放ち、
教えることなく無言で自らその工程を片付けてしまうそうだ。
これも店長の影響か。
店長が居ないすきに先輩から「なんでパン屋なんかになろうと思ったの?
店長も俺もパン屋、大嫌いなんだよ」と言われたそうだ。
「だってパンの生地が指についたり粉が舞ったりすると汚れるじゃん」
パン屋が大嫌いな職人が作るパンは、冷たそうな感じがする。
この日始めて聞いたのだが、ほぼ毎日店長に怒鳴られ追い詰められ
7時間ずっと緊張状態で、海くんの神経はボロボロだったようだ。
怒鳴られたなんて私にはひとことも言わなかった。
先輩や店長の悪口さえも言わなかった。
「早く家に帰りたくて、家に帰れば早くおまえに会いたくて」
「おまえだけが味方みたいな気がしてた」
悔しさと海くんに対する思いがあふれて、泣かずにはいられなかった。
「怒鳴られまくったけど、パン屋の仕事は楽しいよ」
張り詰めた時間の中でもしっかり楽しさを見出せるなんて。
また泣いた。
泣いてばかりもいられない。さぁこれからどうしよう・・・
一日1000円で教えてももらえない店長にしがみつくか、他の修行先を探すか。
こんな時はあの人に相談してみよう。(続く)
「お願いがあります。今日できるだけ早く帰ってきてください。」
妙にかしこまった文章にイヤな胸騒ぎがして、会社を早退して家に戻った。
玄関のドアを開けると今にも泣きそうな海くんがいた。
「どしたの?」
「・・・うん」
「パン屋さんで何かあった?」
「・・・うん」
「何か言われたの?」
ふうーっとため息をついて重たい口をゆっくりと開け話し始めた。
・・・今日、店長に呼ばれて言われたそうだ。
「おまえさ、一生懸命やってるのわかるんだけど、覚えるの、遅い
時給650円も出せない、一日1000円だな
それが嫌ならヤメロ
俺も教える自信ないわ
おまえはパン屋に向いてない」
「おまえに教えてると俺の1分2分っていう時間が
無くなるのがもったいない」
「一日1000円でも良ければ、自分が納得できるまで来てもいいけど、
(仕事は教えないぞ)
明日までに考えて来い、一日あれば足りるだろ?」
愕然とした。
まだ10日目なのに。これはクビ宣告以外の何物でもない。
最初からできる人なんていない。
確かに海くんは要領が悪いかもしれないけど、会社辞めてパン屋に賭けてるんだ。それをたった10日で"向いてない"なんて決めつけて欲しくない。
調子の良いこと言っておいて、見込みが無いとわかれば
ザックリ切るなんて・・・(http://diary.note.ne.jp/36834/20031011)
1分2分の都合がつけれないんだったら、最初から未経験者の面倒を見る
なんて無責任なことは言わなければいい。
店長は愛想はいいが、店で働いてると人が変わるそうだ。
お客さんがいないと細かいことで絶えず怒鳴って作業場には緊張が走る。
それに一緒に働いてる人たちが仕事中ひとことも言葉を発せず、店長に
脅えながら仕事をしている職場らしい。
・・・入店してみなければわからない店の内情。
製造の細かい工程をメモに残せず、女の先輩(もちろん年下)に質問しても
面倒くさそうに「先週教えましたよね?」と冷たく言い放ち、
教えることなく無言で自らその工程を片付けてしまうそうだ。
これも店長の影響か。
店長が居ないすきに先輩から「なんでパン屋なんかになろうと思ったの?
店長も俺もパン屋、大嫌いなんだよ」と言われたそうだ。
「だってパンの生地が指についたり粉が舞ったりすると汚れるじゃん」
パン屋が大嫌いな職人が作るパンは、冷たそうな感じがする。
この日始めて聞いたのだが、ほぼ毎日店長に怒鳴られ追い詰められ
7時間ずっと緊張状態で、海くんの神経はボロボロだったようだ。
怒鳴られたなんて私にはひとことも言わなかった。
先輩や店長の悪口さえも言わなかった。
「早く家に帰りたくて、家に帰れば早くおまえに会いたくて」
「おまえだけが味方みたいな気がしてた」
悔しさと海くんに対する思いがあふれて、泣かずにはいられなかった。
「怒鳴られまくったけど、パン屋の仕事は楽しいよ」
張り詰めた時間の中でもしっかり楽しさを見出せるなんて。
また泣いた。
泣いてばかりもいられない。さぁこれからどうしよう・・・
一日1000円で教えてももらえない店長にしがみつくか、他の修行先を探すか。
こんな時はあの人に相談してみよう。(続く)
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